20世紀における自然環境は、人類の想像を超えるスピードで悪化してきました。
温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨を始めとして、いま地球規模で取り組まなければならない問題が数多くあります。
日本ではエコロジーがブームになっていますが、これを単なる一過性のものとせず、一人ひとりがよく考えて実行してい
かなくてはならない問題であると考えます。
神戸電鉄でも、美しい地球の環境保全に取り組むため、「地球環境対策委員会」を設置しました。
■組 織■
この委員会での審議に基づいて、以下のような対策を、今後一層推進してまいります。
@車両の軽量化
車両本体をアルミなどの軽合金で造った車両は、鋼製車両に比べ軽量化されており、電力消費量が少なくなります。
A回生ブレーキの使用
回生ブレーキは、電力の効率的利用を目的として開発されたブレーキ方式です。ブレーキをかけたときに、モーター
を発電機として作用させ、発生した電力を架線に戻してほかの電車が使えるようにするもので、文字どおり電力を回
生(再利用)することができます。
BVVVF(可変電圧・可変周波数)インバータ
インバータ(逆変換装置)で、直流を交流に変え、電車の加速力と速度に応じて、電圧と周波数を変化させながら、交
流誘導モーターを動かすもの。制動エネルギーも一般車両のように熱にして捨てず、電力として回生し、「再利用」す
ることができる省エネルギー性が大きな特徴です。
回生ブレーキおよびVVVFインバータを採用した5000形車両
●省エネルギー車両の導入状況
現在、当社車両のうち、上記機能を備えた車両の占める割合は、軽量化車が全体の54%であり、また、回生ブレー
キおよびVVVFの採用車は全体の23%となっています。

@補修用部品の削減
メンテナンスフリー化を図るため、電動転てつ機の91%を機械式のフリクション(摩擦)クラッチからマグネット式
クラッチに変更し、消耗の激しいクラッチ板等の交換部品の削減および、潤滑剤の常時補充も極力減少させています。
また、まくらぎについても、木製のものからPC(ブレストレスト・コンクリート)まくらぎ等、半永久型材料への交
換を推進いたします。
A社内におけるペーパーレス化の推進
各部署にパソコンを配置して、社内LANや電子メールを活用することにより、文書類のペーパーレス化を推進いた
します。
B原単位電力の低減化
回生ブレーキ採用車両の導入、列車運転方法の見直し(※力行運転区間の見直し)等により、原単位電力(1車両が1
q走行するために必要な電力 )低減を図ります。
※力行(りっこう)
力行とは、ノッチ(自動車のアクセルに相当するもの)を入れて列車を加速させること。
電車は、この力行と惰行を繰り返しながら走行しています。
@公共交通機関の利用促進をPR
自動車の排気ガスには、地球温暖化の原因となる「温室効果ガス」の大半を占めるCO2(二酸化炭素)や、酸性雨の原
因といわれるNOx(窒素酸化物)等が多く含まれています。
エネルギー効率のよい鉄軌道系交通機関は、CO2の排出量で自家用自動車の約9分の1といわれています。
また、当社のように電気を動力として使っている場合、NOxを直接排出するガソリンおよびディーゼルエンジンを
使用していませんので、さらにクリーンで環境にやさしい交通機関であるといえます。
政府でも公共交通機関の利用を促進しており、当社も鉄道の利用について、一層のPRに努めてまいります。
(出典:神戸市地球温暖化防止地域推進計画)
Aパーク・アンド・ライド方式駐車場の実施
パーク・アンド・ライドとは、郊外の住宅地からマイカーで最寄駅まで行き、そこに車を置いて鉄道を利用し、都心
部まで通勤・通学する方式です。
当社でも沿線の数ケ所の駐車場にて、利用者の募集を行っており、3か月以上の通勤・通学定期をお持ちのお客さま
は、通常の駐車料金よりも安く駐車場をご利用いただけます。
この方式をご利用いただくことにより、地球環境への配慮だけでなく、都市における道路の渋滞緩和にも貢献できる
ものと考えています。
●ご利用いただける駐車場
山の街駅前第3駐車場、有馬口第1駐車場、有馬口第2駐車場、有馬口第3駐車場、有馬温泉北駐車場、
岡場第3駐車場、岡場第4駐車場、道場駐車場、押部谷駅前駐車場、小野第2駐車場
@オゾン層破壊物質の低減
鉄道車両用冷房装置の既存フロン漏洩防止のために、定期的に点検を実施しており、現在開発途上の代替フロンにつ
いても、駅舎等の冷房装置も含めて、積極的に導入することを予定しています。
A水質汚染物質の適正な管理
車庫における鉄道車両の洗車および、台車・クーラーの洗浄等で発生した汚濁水は、排水処理装置にて適正な処理を
行っています。
B工事に伴う廃棄物の削減
自動車等の通過に耐え得る再利用可能なプラスチック板やコンクリート板および、ゴム舗装を利用した踏切道の構造
改良により、踏切道工事の際に発生する産業廃棄物(アスファルト殻)を削減いたしました。

@レール騒音(振動)の低減化
現在、当社におけるPC(ブレストレスト・コンクリート)まくらぎの導入割合は46%、重レール(50Nレール)の
導入割合は84%となっており、継ぎ目部分での騒音を減少させるためのロングレール化や、二重弾性締結装置への
切り替え、道床部分の厚みを増加させることなどと併せて、今後も騒音・振動の低減化に取り組んでまいります。
A車輪のフラット(偏磨耗)対策
フラット検出装置、滑走防止装置、増粘着噴射装置等、車両側の騒音・振動低減につながる装置の導入も検討してい
ます。
B車両の低騒音化
電源装置、電動空気圧縮機の低騒音型機導入や、主電動機送風ファン、戸閉用電磁弁等の改良による車両の低騒音化
にも取り組んでいます。
今後も、環境問題について社員一人ひとりが認識し、当社で実施可能なことを「地球環境対策委員会」で積極的に討議して、
取り組んでまいります。
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